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202510.25

複合機のレーザー方式とインクジェット方式の違い

オフィスや事業所に複合機を導入する際、
「レーザー方式」と「インクジェット方式」のどちらを選ぶかは重要なポイントです。

印刷の目的や印刷枚数によって適した方式が異なるため、
自社の業務内容に合った複合機を選ぶことで、
印刷コストの削減や作業効率の向上にもつながります。

この記事では、それぞれの方式の特徴や仕組み、
向いている職場環境についてわかりやすく解説します。
導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

複合機のレーザー方式とインクジェット方式の違い【比較まとめ】

複合機には主に レーザー方式インクジェット方式 の2種類があります。
それぞれ印刷の仕組みがまったく異なり、得意分野も違います。

レーザー方式は、トナー(粉末状のプラスチック粒子) を使って印刷する方法です。
感光ドラムを帯電させ、レーザー光で静電気の変化を作り出し、
そのパターンにトナーを付着させて紙に転写します。
最終的に、熱と圧力でトナーを紙に定着させることで印刷が完了します。

一方のインクジェット方式は、液体インクをノズルから噴射して紙に直接吹き付ける シンプルな仕組みです。
インクを極めて小さな粒子(約1ピコリットル)に分けて、
デジタルデータをもとに制御しながら印刷するため、
写真やカラーグラフィックのような繊細な表現に優れています。


レーザー方式の複合機は、水に強く滲みにくい印刷ができるほか、
文字や線がシャープでブレが少ない点も魅力です。
さらに、1ページ単位で印刷するためスピードが速く、
大量印刷やビジネス資料の出力に向いています。

トナーは一見高価ですが、印刷可能枚数が多く、
1枚あたりの単価は低く抑えられるため、
結果的にランニングコストを削減できます。
オフィスでの一般的な印刷コストは、
モノクロ1枚あたり約2~3円、カラーで15~25円ほどです。

ただし、本体価格は高めで、構造も複雑。
ドラムユニットや定着器など複数の部品が必要なため、
導入コストはインクジェットよりも大きくなる傾向にあります。


一方のインクジェット方式は、構造がシンプルで本体価格が安く、
家庭用モデルなら1万円程度から購入可能です。
色の階調やグラデーション表現が豊かで、
条件が整えば写真のように美しい仕上がりを得られます。
6色や8色インクを採用したモデルでは、より繊細な色再現も可能です。

また、レーザー方式と比べて消費電力が低く、
稼働中でもおおよそ80〜100Wと省エネ性にも優れています。
ただし、水性インクを使用するため湿気に弱く、
水に濡れると滲みやすい点には注意が必要です。

さらに、1枚あたりの印刷コストはレーザー方式より高めで、
インク交換の頻度が増えるとランニングコストが上がる傾向にあります。


レーザー方式は 印刷量が多くスピードを求めるオフィス向け
インクジェット方式は 写真やデザイン印刷を多く行う環境に適したタイプ です。
それぞれの特徴を理解した上で、職場の印刷ニーズに合った複合機を選ぶことが重要です。2. レーザー方式複合機の印刷仕組み

レーザー方式の複合機は、トナー と呼ばれる粉末状のインクを使って印刷します。
内部では、次のような手順で印刷が進みます。

  1. 帯電
     感光ドラムと呼ばれる円筒形の部品に均一に電気を帯びさせます。
  2. 露光
     レーザー光を使い、印刷データの内容を感光ドラム上に照射して、画像の形に電荷を変化させます。
  3. 現像
     電荷が変化した部分にのみトナーを付着させ、印刷したい文字や画像の“型”を形成します。
  4. 転写
     感光ドラム上のトナーを用紙に移動させます。
  5. 定着
     熱と圧力を加えてトナーを紙の繊維に溶かし込み、印刷を定着させます。

このように、レーザー方式は電子的に静電気をコントロールしながら印刷する仕組みになっています。
印刷スピードが速く、1ページ単位での処理が可能なため、
大量のビジネス文書を出力する環境に最適です。

さらに、印字面がくっきりしており、
水や光にも強く長期間保存できるのが大きな利点です。
一方で、構造がやや複雑なため、
サイズが大きく重量も重くなる傾向があります。

3. インクジェット方式複合機の印刷仕組み

インクジェット

インクジェット方式は、液体インクを極めて細かい粒として紙に吹き付ける シンプルな印刷方式です。
主な印刷原理は次の2種類があります。

  • サーマル式(熱方式)
     インクを一瞬だけ加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを紙に噴射します。
     キヤノンやHPなどのプリンタに採用されています。
  • ピエゾ式(圧電方式)
     電圧をかけることで変形する圧電素子を使い、インクを押し出して噴射する方法です。
     エプソン製のプリンタなどでよく使われています。

いずれの方式でも、インクの粒は非常に微細(1ピコリットル=1兆分の1リットル)で、
これを高精度に制御することで、滑らかな階調や写真のような仕上がりを実現します。

また、印刷プロセスがシンプルなため、
装置構造がコンパクトで静音性も高く、
小規模オフィスや在宅ワーク向けのプリンタとして人気があります。

ただし、インクは水性のため耐水性にやや弱く、
長期保存や屋外掲示物には不向きです。
さらに、ノズルが詰まると印字がかすれることがあるため、
定期的なメンテナンスが欠かせません。4. レーザー方式複合機の特徴

レーザー方式の複合機は、スピード・耐久性・コストパフォーマンス に優れています。

印刷プロセスが1ページ単位で進むため、1分間に数十枚を出力できる機種も多く、
ビジネス資料や契約書などを大量に印刷する場面で特に力を発揮します。

印字面はシャープでムラが少なく、
水に濡れても文字が滲みにくいのが特徴です。
長期保存が必要な書類や、公的文書の出力にも適しています。

また、トナーは乾燥しないため、
長期間使用しなくても印刷品質が落ちにくい点もメリットです。

ただし、定着ユニットや感光ドラムなどの内部部品が多く、
装置の構造が複雑なぶんサイズや重量が大きくなりやすい傾向があります。
ウォームアップ(印刷開始までの立ち上がり時間)も、
インクジェット機よりやや長めです。

5. インクジェット方式複合機の特徴

インクジェット方式の魅力は、色表現の美しさと導入コストの低さ にあります。

微細なインク粒子を制御して印刷するため、
写真やイラスト、ポスターなどのグラフィック用途で高い再現性を発揮します。

また、構造がシンプルで軽量なため、
設置スペースを選ばず、小規模オフィスや在宅業務でも扱いやすい点も利点です。

消費電力も低く、静音性にも優れているため、
稼働中のストレスが少ないのも特徴のひとつです。

一方で、インクは水性で乾きやすく、
長期間使用しないとノズルが詰まることがあります。
また、インクカートリッジの交換頻度が高くなるため、
印刷コストが上昇しやすい傾向があります。

6. 両方式の見分け方

外見からでも、レーザー方式とインクジェット方式はある程度見分けがつきます。

見分けポイントレーザー方式インクジェット方式
印字方法トナーを熱で定着液体インクを噴射
印字の手触りわずかにザラザラ滑らかで平ら
構造・サイズ大型・重量感ありコンパクト・軽量
作動音がやや大きめ比較的静か
印刷スピード高速(1ページ単位)やや遅め(行単位)
印刷品質文字・線がシャープ写真・色表現が得意

7. どちらがオフィスに向いている?

用途に応じて最適な方式は異なります。

  • レーザー方式が向いているケース
     → 毎日大量に印刷する、文書中心の業務(例:見積書・請求書・会議資料)
     → 印刷スピード・耐久性・経済性を重視したい場合
  • インクジェット方式が向いているケース
     → 写真やデザインデータの印刷が多い
     → 設置スペースや初期費用を抑えたい小規模オフィス・個人事業所

つまり、印刷枚数が多いならレーザー方式、表現力を重視するならインクジェット方式 が基本の選び方です。

8. まとめ

レーザー方式とインクジェット方式の複合機は、
どちらも優れた特性を持っていますが、
目的や印刷頻度によって最適解は異なります。

  • レーザー方式:速く・正確に・経済的に印刷できる。オフィス業務向け。
  • インクジェット方式:写真やカラー表現が美しく、導入コストが低い。少量印刷向け。

導入前に「どんな印刷を、どれくらいの頻度で行うか」を整理すれば、
自社にぴったりの複合機を選ぶことができます。

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