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2026/10/28ITの基礎知識

社員が生成AIに顧客情報を入れていませんか|社内のAI利用ルールの作り方

シリーズ「AI時代のセキュリティ対策」3回目のアイキャッチ

シリーズ「AI時代のセキュリティ対策」の3回目です。10月21日に公表されたPHPの脆弱性への対応では、エムズでも「どこで何が動いているか」を把握していることの大切さを改めて感じました。同じことが、社内で使われているAIにも言えます。社員が仕事でどのAIを使い、何を入力しているか、把握できているでしょうか。

文章の作成や要約、翻訳など、生成AIは仕事の強い味方になりました。一方で、無料のサービスや個人のアカウントで使うと、入力した内容がサービス側に保存されたり、設定によってはAIの学習に使われたりする場合があります。顧客の名前や見積の金額、社内の資料をそのまま貼り付けると、会社の外に情報を出したのと同じことになりかねません。

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」で、組織向けに初めて選ばれた「AIの利用をめぐるサイバーリスク」には、こうした使い方による情報の漏えいも含まれています。

禁止するより、ルールを決めて使う

「AIは使用禁止」とすると、かえって社員が個人のスマートフォンでこっそり使うようになり、会社から見えなくなってしまいます。使ってよい形をはっきり決めて、安全に使ってもらうほうが現実的です。

生成AIに入れてはいけない情報と使ってよい例を比べた図

ルールに入れたい5つの項目

1. 使ってよいサービス

会社として契約したサービスや、入力内容が学習に使われない設定にしたサービスに限ります。個人のアカウントでの業務利用は避けます。

2. 入れてはいけない情報

  • お客様の氏名・住所・電話番号などの個人情報
  • パスワードや口座番号
  • 契約書・見積書・社外秘の資料そのもの

3. 出てきた答えの確認

AIの答えには、もっともらしい間違いが含まれることがあります。お客様に出す文書や数字は、必ず人が確認してから使います。

4. 困ったときの相談先

「これは入れてよいのか」と迷ったときに聞ける担当者を決めておきます。

5. ルールの見直し

AIのサービスは変化が速いので、半年に1回ほどルールを見直します。

まずはA4用紙1枚から

立派な規程を作る必要はありません。上の5項目をA4用紙1枚にまとめ、朝礼や会議で共有するだけでも効果があります。大切なのは、社員が迷ったときに立ち返れる基準があることです。新しく入った社員にも、入社のときに必ず渡すようにします。

ルールを作るときは、実際に使っている社員の声を聞くことも大切です。「議事録の要約に使いたい」「お客様への返信の下書きに使いたい」といった具体的な使い方を集め、それぞれについて入れてよい情報を決めていくと、現場で守りやすいルールになります。

個人のスマートフォンでの利用にも目を向ける

会社のパソコンでは決まりを守っていても、移動中に個人のスマートフォンのAIアプリで、お客様とのやり取りを要約してしまう、といった使い方は見落とされがちです。ルールには「業務の情報は、会社が認めたサービスと端末でだけ扱う」と書いておくと、判断に迷いにくくなります。

ルールの例文

社内で使うときは、次のような短い文にしておくと伝わりやすくなります。

  • 業務でAIを使うときは、会社が指定したサービスとアカウントを使います
  • お客様の個人情報、パスワード、口座番号、社外秘の資料は入力しません
  • AIが作った文書や数字は、必ず自分で確認してから使います
  • 迷ったときは、入力する前に担当者に相談します

AIの答えをそのまま使わない

AIは、存在しない法律の条文や、間違った金額をもっともらしく答えることがあります。見積書やお客様への案内文にそのまま使うと、会社の信用に関わります。AIは下書きを作る道具と考え、最後は人が責任を持って確かめる、という順番を守りましょう。

まとめ:AIは「使い方」で安全にも危険にもなる

生成AIは、使い方を決めれば業務を大きく助けてくれます。使ってよいサービスと入れてはいけない情報を決め、社員全員で共有することから始めましょう。

エムズショップでは、社内のAI活用を安全に進めるための研修やルールづくりのご相談もお受けしています。詳しくはAI・DX支援のページをご覧ください。

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