ロゴ画像
お問い合わせ
ロゴ画像

202510.25

複合機でフチなし印刷はできる?業務用機の仕組みと代替方法を解説

テストコピー

こんにちは。今回は「複合機でフチなし印刷はできるの?」という、よくある質問について詳しく解説します。

一見シンプルな機能に思えますが、実はプリンターの仕組みや印刷方式に深く関わる問題です。
レーザー複合機とインクジェット複合機では構造が大きく異なるため、印刷の仕上がりにも違いが出ます。

まず「フチなし印刷」とは、紙の端ギリギリまでインクやトナーを乗せて印刷する方法を指します。
通常のレーザー複合機で印刷をすると、紙の四辺に白い余白が残ります。これは「フチあり印刷」と呼ばれる一般的な印刷方式です。

印刷できないこの白い部分は「印字不可領域」と言い、
逆に印刷可能な中央部分を「印字可能領域」または「印字保証領域」と呼びます。

この制約は、複合機の構造上どうしても避けられないものです。
つまり、用紙の端まで完全に印字する「フチなし印刷」は、すべての機種で対応できるわけではありません。

フチなし印刷が必要になる場面とは?

オフィス文書や請求書ではほとんど必要ない機能ですが、
チラシ・DM・ポスター・カタログなど、デザイン性を重視した印刷物ではフチなし印刷が求められることがあります。

特に写真やグラフィックを全面に配置するデザインでは、余白があると見た目が締まらず、完成度が下がってしまいます。
このため、印刷業界では「塗り足し(ぬりたし)」を確保して断裁するなど、フチを目立たせない工夫が一般的に行われています。

業務用レーザー複合機ではフチなし印刷ができない理由

結論から言うと、レーザー複合機では基本的にフチなし印刷はできません。
理由は「トナーを定着させる仕組み」にあります。

レーザー複合機は、粉状のトナーを静電気で紙に付着させ、
その後「熱」と「圧力」で紙に定着させる工程を行います。

もし印刷データが紙の端ギリギリまで出力されてしまうと、
溶けたトナーが紙の外側にこぼれてしまい、感光体ドラムや定着ユニットなどの内部部品を汚す危険があります。

この汚れは故障や印刷ムラの原因となるため、メーカー側で印刷領域をあらかじめ制限しているのです。
つまり、レーザー方式では構造的に「フチなし印刷はできない」と言えます。

インクジェット複合機ならフチなし印刷が可能な理由

一方で、インクジェット複合機ではフチなし印刷に対応している機種もあります。
その理由は、印字方式が液体インクを使うためです。

インクジェットの場合、インクが紙の外にはみ出しても、
内部に設けられた吸収スポンジが余分なインクを吸収してくれるため、機械を傷つける心配がありません。

そのため、写真印刷やデザイン用途を想定した家庭用・小型オフィス向けインクジェット複合機では、
フチなし印刷機能が標準で搭載されていることが多いです。

レーザー複合機で「フチなしに近づける」方法

完全なフチなし印刷はできませんが、印刷設定を調整することで限りなくフチを小さくすることは可能です。

方法は以下の通りです:

  1. 印刷時に「プロパティ」や「印刷設定」を開く
  2. 「余白設定」や「マージン」の項目を「0mm」に変更する
  3. 試し印刷で端の白枠が最小限になっているか確認する

これで、2~3mm程度の白フチにまで縮められる場合があります。
ただし、メーカーやドライバによって設定名や項目位置が異なるため、
不明な場合はサポートセンターに問い合わせるのが確実です。

どうしてもフチなしにしたい場合の裏技:「塗り足し+断裁」

デザイン業界では、フチなし印刷が必要な場合に「塗り足し(ぬりたし)」という方法を用います。

これは、印刷データを実際の仕上がりサイズよりも数ミリ大きく作成し、
印刷後にトンボ(トリムマーク)を目印に断裁して仕上げる手法です。

例えばA4サイズの印刷物を作る場合、
A4よりも上下左右に3mmずつ広げてデータを作り、印刷後にその分をカットします。
これにより、実質的にフチなしの仕上がりになります。

この方法は専門的な作業が必要ですが、
どうしても見た目にこだわりたい場合には最も確実な手段です。

まとめ|レーザー複合機では「完全なフチなし」は不可

  • レーザー複合機では構造上フチなし印刷はできない
  • インクジェット複合機なら対応機種がある
  • 設定で余白を最小限にすれば「ほぼフチなし」も可能
  • 本格的なデザイン印刷は「塗り足し+断裁」で対応可能

業務用複合機を選ぶ際は、印刷コストや速度だけでなく、どんな印刷をするかも重要な判断基準です。
チラシやパンフレットなどデザイン重視の用途が多い場合は、インクジェットタイプの複合機を検討するのが賢明です。

一覧に戻る