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2026/11/06ITの基礎知識

DNSとは?ホームページが開かないときの原因の切り分け

DNSとは?ホームページが開かないときの原因の切り分け

「ホームページが開かない」「メールが届かない」。こうしたトラブルの原因として、意外に多いのがDNSです。DNSは、ふだんはまったく意識しないまま毎日使っている仕組みですが、止まると会社の業務に大きく影響します。シリーズ「ネットワークの基本」の3回目は、DNSの仕組みと、ホームページが開かないときの原因の切り分け方を図で解説します。

IPアドレスの回で、通信の届け先は数字の番号で決まると説明しました。しかし、ホームページを見るたびに数字の番号を入力するのは現実的ではありません。そこで私たちは「ms-shop.net」のような、覚えやすい名前(ドメイン名)を使っています。

DNSは、このドメイン名から、実際の届け先であるIPアドレスを調べる仕組みです。電話帳で名前から電話番号を調べるのに似ていることから、「インターネットの電話帳」と呼ばれることもあります。ブラウザにドメイン名を入力すると、パソコンはまずDNSに「この名前の住所はどこですか」と問い合わせ、答えのIPアドレスに接続してはじめてホームページが表示されます。

名前を調べる流れ

DNSの問い合わせは、1台のサーバーがすべての名前を知っているわけではなく、役割を分けた複数のサーバーが順番に答える形で進みます。

パソコンから問い合わせ係、ルートサーバー、.netのサーバー、ドメインのサーバーへ順に問い合わせてIPアドレスを調べる流れの図

① パソコンが「問い合わせ係」に聞く

パソコンは、契約しているプロバイダや社内のルーターなどが受け持つ「問い合わせ係」のサーバーに、名前を調べてほしいと頼みます。

②〜④ 問い合わせ係が順番にたどる

問い合わせ係は、まず全体の案内役であるルートサーバーに聞き、「.netのことはこちらのサーバーへ」と教えてもらいます。次に.netを管理するサーバーに聞いて、「ms-shop.netのことはこちらへ」と教えてもらいます。最後に、そのドメインの情報を持っているサーバーから、IPアドレスの答えを受け取ります。

⑤〜⑥ 答えを受け取って接続する

問い合わせ係は答えをパソコンに返し、パソコンはそのIPアドレスに接続します。一度調べた答えはしばらくのあいだ問い合わせ係やパソコンに記憶されるため、毎回最初からたどる必要はありません。ふだんホームページが一瞬で表示されるのは、この記憶のおかげです。

DNSが原因で起きる、よくあるトラブル

DNSのどこかで答えが返ってこないと、サーバーやホームページ自体は動いていても、閲覧する側からは「開かない」ように見えます。会社でよくあるのは次のようなケースです。

  • ドメインの更新切れ:ドメインは毎年などの期限ごとに更新が必要です。更新を忘れると、ホームページとメールが同時に使えなくなります。
  • サーバーを移転した直後:DNSの設定を新しいサーバーに切り替えても、各地の問い合わせ係が古い答えを覚えている間は、人によって新旧どちらかが表示されます。
  • DNSの設定ミス:設定を書き換えたときに一部の項目を消してしまい、ホームページは見えるのにメールだけ届かない、ということも起こります。
  • 社内のルーターの不調:問い合わせ係を受け持つ社内のルーターが不調になると、社内のパソコンだけがどのサイトも開けなくなることがあります。

ドメインやDNSの管理が誰の名義になっているかは、こうしたトラブルの対応の早さを左右します。ドメインとサーバーは誰の名義?確認すべき所有権もあわせてご確認ください。

ホームページが開かないときの切り分け

自社や取引先のホームページが開かないときは、慌てて再設定を始める前に、原因がどこにあるかを順に確かめます。

ホームページが開かないときに、回線・社内ネットワーク側、サイト・ドメイン側、社内・パソコン側のどこが原因かを判断するフロー図

ほかのサイトも開かないか

ほかのホームページもまったく開かない場合は、特定のサイトではなく、回線や社内ネットワーク側の問題が考えられます。ルーターやUTMの再起動、回線事業者の障害情報の確認から始めます。

スマートフォンのモバイル回線でも開かないか

開かないのが特定のサイトだけなら、スマートフォンのWi-Fiを切り、携帯電話の回線で同じサイトを開いてみます。これで社内のネットワークを通らずに確かめられます。

  • スマートフォンでも開かない:サイトやドメイン側の問題が考えられます。ドメインの更新期限、DNSの設定、サーバーの状態を、管理している会社に確認します。
  • スマートフォンでは開く:社内のDNSの設定や、パソコンやブラウザが覚えている古い情報が原因のことがあります。ブラウザを開き直す、パソコンを再起動するといった方法で直る場合もあります。

DNSが答えているかをコマンドで確かめる

Windowsのパソコンでは、「nslookup」というコマンドで、DNSが正しく答えているかを確かめられます。

nslookupでドメイン名からIPアドレスが返ってくるかを確認する画面の例

「ターミナル」または「コマンドプロンプト」を開き、「nslookup」に続けて調べたいドメイン名を入力します。「名前」と「Address」が表示されれば、DNSは答えを返しています。「見つけられません」と表示される場合は、DNSかドメイン側に問題がある可能性が高くなります。表示の最初に出てくる「サーバー」は、今回問い合わせた問い合わせ係の住所です。

まとめ

DNSは、ドメイン名からIPアドレスを調べる、インターネットの電話帳のような仕組みです。問い合わせ係のサーバーが、ルートサーバーから順にたどって答えを見つけ、パソコンはその答えに接続してホームページを表示します。ホームページが開かないときは、ほかのサイトも開かないか、スマートフォンの回線でも開かないかを順に確かめると、回線側、サイト側、社内側のどこに原因があるかを絞り込めます。

ここまでの3回で、IPアドレス、TCP/IP、DNSという、ネットワークの土台になる仕組みをひと通り押さえました。次回からは、ログインの安全を守る「認証」と「認可」の違いなど、セキュリティの基本に進みます。

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