「IPアドレス」という言葉は、複合機の設定やネットワークの工事のときに必ず出てきます。ただ、何を表しているのかを説明できる方は意外と多くありません。この記事では、IPアドレスを「会社の住所」と「社内の内線番号」にたとえて、ネットワークの一番の基本を図で整理します。シリーズ「ネットワークの基本」の1回目です。
インターネットや社内のネットワークでは、パソコン、スマートフォン、複合機、ルーターなど、つながっている機器の一つひとつに番号が割り当てられています。この番号がIPアドレスです。
手紙を送るときに住所が必要なように、データを送るときにも「どの機器に届けるか」を示す番号が必要です。メールを送る、ホームページを見る、複合機に印刷データを送る。こうした操作の裏側では、必ずIPアドレスを使って届け先が決められています。
よく見かけるのは「192.168.1.10」のような、0〜255の数字を点で区切って4つ並べた形です。これはIPv4(アイピーブイフォー)という方式の書き方で、いまも社内ネットワークではこの形が中心です。
IPアドレスには、大きく分けて2つの種類があります。ここが分かると、ネットワークの話がぐっと理解しやすくなります。

インターネット側から見たときの、会社の住所にあたる番号です。世界中で重ならないように管理されていて、通常は契約しているプロバイダ(インターネット接続事業者)から割り当てられます。会社の出入口にあるルーターやUTMが、この番号を持っています。
外部のホームページを見るとき、相手のサーバーには「この会社の住所から問い合わせが来た」と伝わります。社内のパソコンが何台あっても、外から見えるのは基本的にこの1つの住所です。
社内のネットワークの中だけで使う番号です。パソコンA、パソコンB、複合機などに、ルーターが自動で配っているのが一般的です。社内で重ならなければよいので、ほかの会社とまったく同じ番号を使っていても問題ありません。
プライベートIPアドレスとして使える範囲は決まっていて、「192.168.」で始まるもの、「10.」で始まるもの、「172.16.」〜「172.31.」で始まるものがこれにあたります。事務所のパソコンで「192.168.」から始まる番号を見かけるのはこのためです。
社内のパソコンがインターネットに出ていくとき、ルーターは内線番号を会社の住所に置き換えて送り出し、返事が来たら正しい内線へ戻します。この仕組みのおかげで、1つのグローバルIPアドレスで何十台ものパソコンを同時にインターネットにつなぐことができます。グローバルIPアドレスの詳しい確認方法は、グローバルIPとは?UTMでの確認方法でも解説しています。
最近は「IPv6」という言葉もよく耳にするようになりました。これはIPアドレスの新しい方式です。

これまでのIPv4で使えるアドレスは、全部で約43億個です。パソコンやスマートフォン、家電までインターネットにつながるようになり、世界全体では足りなくなりました。そこで用意されたのがIPv6で、使えるアドレスの数は事実上使い切れないほどあります。書き方も変わり、「2001:db8::1」のように英数字をコロンで区切って表します。
光回線の契約で「IPv6 IPoE」や「v6プラス」といった名前を見かけるのは、この新しい方式で通信する接続方法のことです。混雑しにくい経路を通るため、夕方や夜に速度が落ちにくくなる場合があります。一方で、複合機や古いネットワーク機器の中にはIPv4を前提に作られているものもあるため、回線を切り替えるときは社内の機器がそのまま使えるかを確認しておくと安心です。
Windowsのパソコンなら、自分に割り当てられているIPアドレスはすぐに確認できます。

「スタート」ボタンを右クリックして「ターミナル」または「コマンドプロンプト」を開き、「ipconfig」と入力してEnterキーを押します。表示された中の「IPv4 アドレス」が、このパソコンの内線番号です。「デフォルト ゲートウェイ」は社外への出口、つまりルーターやUTMの内線番号です。
もし「IPv4 アドレス」が「169.254.」で始まっていたら、ルーターから番号をもらえていない状態です。LANケーブルが抜けていないか、Wi-Fiにつながっているかを確認してください。
IPアドレスの考え方は、日々のトラブル対応でも役に立ちます。
UTMとIPアドレスの関係は、UTMとIPアドレスの関係とは?で詳しく紹介しています。
IPアドレスは、ネットワークにつながる機器一つひとつに付けられた届け先の番号です。インターネット側から見た「会社の住所」がグローバルIPアドレス、社内だけで使う「内線番号」がプライベートIPアドレスで、その間をルーターやUTMがつないでいます。この2つの違いを押さえておくと、複合機の設定や回線の切り替え、セキュリティ対策の話がずっと分かりやすくなります。
次回は、データがどのような順番で相手に届くのかを、「TCP/IP」の4つの層として郵便にたとえて解説します。
ネットワークとセキュリティのご相談は、名古屋のエムズショップへ
セキュリティ機器・UTM
機器の選定から設置・運用・保守まで。補助金を使える場合もあります。
ネットワーク管理代行
社内のパソコン・ネットワークをまとめてお預かりします。窓口が1つで済みます。
創業20年、名古屋市北区清水に実店舗があります。名古屋市全16区と愛知県内に対応。ご相談・お見積りは無料です。
エムズショップのUTM(ウイルス・不正アクセス対策)
20名程度までの事務所は、レンタル月5,000円〜(税抜)で導入できます。機器・初期設定・保守・ライセンスまで月額に含みます。