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2026/11/04ITの基礎知識

TCP/IPとは?4つの層を郵便にたとえて解説

TCP/IPとは?4つの層を郵便にたとえて解説

メールやホームページは、パソコンの中で書いたデータがそのまま相手に飛んでいくわけではありません。決められた手順にそって、いくつもの段階を通って届いています。その手順の決まりごとをまとめたものが「TCP/IP」です。シリーズ「ネットワークの基本」の2回目は、TCP/IPの4つの層を郵便にたとえて図で整理します。前回のIPアドレスとは?会社の住所と内線番号で理解する基本とあわせてお読みください。

メーカーの違うパソコン、スマートフォン、複合機、サーバーが問題なく話せるのは、どの機器も同じ決まりごとに従っているからです。この決まりごとを「プロトコル」と呼びます。

TCP/IPは、インターネットで使われるたくさんのプロトコルをまとめた呼び名です。名前の由来になっているTCPとIPは、その中でも特に中心的な2つのプロトコルです。TCP/IPでは、通信の仕事を4つの層に分け、それぞれの層が自分の担当だけを受け持つ形で役割を分担しています。

4つの層を郵便にたとえると

4つの層は、手紙を出すときの流れに置き換えると分かりやすくなります。

TCP/IPの4つの層と、それぞれを郵便にたとえた図

第4層 アプリケーション層:手紙の中身と書き方

メールソフトやブラウザなど、私たちが直接使うソフトが受け持つ層です。手紙でいえば、中身の文章と、その書き方の決まりにあたります。ホームページを見るときのHTTPやHTTPS、メールを送るときのSMTP、ドメイン名を調べるDNSなどがこの層のプロトコルです。

第3層 トランスポート層:書留か、普通郵便か

データをどう届けるかを決める層です。ここで使われる代表がTCPとUDPです。TCPは、相手に届いたかを確かめながら送り、足りない分は送り直します。書留のように確実さを重視する方式で、メールやホームページはこちらを使います。UDPは確認を省いて速さを優先する方式で、音声通話やビデオ会議のように、少しの欠けより遅れのほうが困る通信に使われます。

第2層 インターネット層:宛先の住所と配達ルート

IPアドレスを使って、データをどこへ届けるか、どの経路を通すかを決める層です。手紙でいえば、宛先の住所を書き、郵便局が配達ルートを決める部分です。前回解説したIPアドレスは、この層の主役です。

第1層 ネットワークインターフェース層:道路とトラック

実際にデータを運ぶ、物理的な通り道の層です。LANケーブルやWi-Fi、光回線の機器などがここにあたります。どれだけ住所が正しくても、道路が途切れていれば手紙は届きません。

データは「封筒に入れて」送られる

送る側では、上の層から順に、それぞれの層が必要な情報を付け足していきます。

データにTCP、IP、ケーブル用の情報が順番に付け足されていく流れを示した図

まず、メールの本文などのデータに、トランスポート層が「確実に届けるための情報」(TCPの情報)を付けます。次にインターネット層が「宛先の住所」(IPの情報)を付け、最後にネットワークインターフェース層がケーブルやWi-Fiで運ぶための情報を付けて送り出します。封筒の中に封筒を入れ、さらに外側に宛名を書いていくイメージです。

受け取る側は逆に、外側の情報から順に外していき、最後に中身のデータを読み取ります。層ごとに役割が分かれているので、たとえば有線LANをWi-Fiに変えても、上の層のメールソフトやブラウザは何も変えずにそのまま使えます。

層で考えると、トラブルの場所が絞れる

「インターネットにつながらない」というトラブルも、層に分けて考えると原因の場所を絞り込めます。下の層から順に確かめていくのが基本です。

層ごとに通信が届いているかを確かめる4つのコマンドの例
  • ipconfig:パソコンにIPアドレスが付いているかを確かめます。ここで問題があれば、ケーブルやWi-Fiなど下の層を疑います。
  • ping:指定した相手まで通信が届くかを確かめます。まず社内のルーターに、次に外のサーバーに試すと、社内と社外のどちらで止まっているかが分かります。
  • tracert:相手のサーバーまで、どの経路を通っているかを表示します。途中のどこで止まっているかを調べるときに使います。
  • nslookup:ドメイン名からIPアドレスを調べられるかを確かめます。ここで失敗する場合は、名前を調べる仕組み(DNS)に原因があります。

いずれも、Windowsの「ターミナル」または「コマンドプロンプト」で入力して使います。なお、UTMやファイアウォールの設定によっては、pingに相手が応答しないようにしている場合もあります。応答がないことだけで「つながっていない」と決めつけないことも大切です。

TCP/IPとOSI参照モデルの関係

ネットワークの本では、7つの層に分けた「OSI参照モデル」もよく紹介されています。OSI参照モデルは通信の仕組みを説明するための考え方で、実際のインターネットで動いているのはTCP/IPです。TCP/IPの4つの層は、OSI参照モデルの7つの層をいくつかずつまとめたものと考えると、両者の関係がつかみやすくなります。

まとめ

TCP/IPは、インターネットで通信するための決まりごとを4つの層に分けて整理したものです。上から順に、手紙の中身にあたるアプリケーション層、届け方を決めるトランスポート層、宛先と経路を決めるインターネット層、実際に運ぶネットワークインターフェース層があります。送る側は情報を包んで送り出し、受け取る側はそれを外して読み取ります。層ごとに考える習慣をつけると、つながらないときに「どこで止まっているか」を落ち着いて確かめられるようになります。

次回は、ホームページを開くときに必ず使われている「DNS」の仕組みと、サイトが開かないときの切り分け方を解説します。

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